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「国宝」吉田修一|歌舞伎に取り憑かれた男の波瀾万丈な生涯

こんにちは、kimihibiです。

今回は、吉田修一(著)「国宝」をご紹介します。



この作品は、女形歌舞伎役者の生涯を描いた作品です。

とにかく主人公の喜久雄の人生が波瀾万丈すぎてこれから先どうなるの?

と引き込まれて上下巻約700ページを一気読み。

吉田修一作品は「パレード」や「悪人」が好きでしたが「国宝」もお気に入りリスト仲間入りです。

目次

国宝 (上)青春編 

女形歌舞伎役者「喜久雄」の波瀾万丈な青春時代を描いた物語

吉田修一(著)朝日新聞出版 (2018/9/7)

あらすじ

昭和三十九年、正月。大雪の長崎で極道の父親が抗争に巻き込まれて命を落とす所から物語は始まる。

組長の父亡き後、立花組は解散。息子の「喜久雄」は芸養子として歌舞伎の世界へ足を踏み入れる。

舞台は長崎から大阪へ。

歌舞伎が好きで好きでたまらない「喜久雄」

誰よりも稽古に励み才能を開花させ師匠の実子「俊介」と共に、若手歌舞伎役者として一世を風靡する。

しかし「襲名」によって運命の歯車は大きく狂い始めるーーーー。

感想

後半の喜久雄の運命には、目を覆いたくなるほど厳しいものだった。見ていても精神的に辛い。

そんな時、師匠が「喜久雄」にかけた言葉

「どんなことがあっても、お前は芸で勝負するんや。ええか?どんなに悔しい思いをしても芸で勝負や。ほんまもんの芸は刀や鉄砲より強いねん。お前はお前の芸で、いつか仇とったるんや、ええか?約束できるか?」

吉田修一(著)国宝 上 青春編 引用

一見、芸に励めという励ましの言葉にも聞こえるが「喜久雄」はこの言葉の本当の意味を知らない。

「喜久雄」の暗黒時代を精神的に支えたのは共に大阪へついてきてくれた元立花組組員の「徳次」励まし、時に盾となって諭しながらいつも「喜久雄」を見守る兄的存在。彼が登場するとシリアスな場面もパッと明るくなる。

徳次が登場するとなんだかホッとする

そして第2の主人公の「俊介」

師匠の息子で、喜久雄のライバルでもある彼もまた波瀾万丈な人生を送るのだが、後半にかけての歌舞伎に対する嫌悪、そして役者としての執念が怖いくらいに凄まじかった。

歌舞伎役者として名が落ちた「喜久雄」は「俊介」を超え巻き返すことができるのか?最後の終わり方がかなり意味深。

歌舞伎を全く知らない私、、、

しかし、舞台や客席のイメージがパッと浮かんでくるから不思議。

国宝 (下)花道編

芸を極めた孤高の役者が行き着く境地

吉田修一(著)朝日新聞出版 (2018/9/7)

あらすじ

舞台は大阪から東京オリンピック後の東京へ

上方歌舞伎の名門の嫡男に生まれながら襲名を芸養子「喜久雄」に奪われた「俊介」

10年間、歌舞伎の世界から逃亡を図り行方不明になっていたが、女形の重鎮「小野川万菊」の力添えがあり見事復活を果たす。

師匠であり「俊介」の父「花井白虎」亡き後、後ろ盾を失った「喜久雄」は自らが画策した政略結婚により歌舞伎の世界に返り咲く。

喜久雄、俊介の波瀾万丈な人生が二人に関わる人々をも巻き込んで再び動き出す。

時に歓喜し、時に絶望し、全てを芸に捧げ、芸を極めた男達が見る境地とはーーー。

感想

各章ごとに、泣ける場面があるので外で読む時は注意が必要。

印象的だった場面

喜久雄、俊介の第二の師匠でもある、妖艶な演技で観客を魅了した稀代の女形「小野川万菊」の異様な死に様。

風邪をこじらせ入院後、舞台に立つことがなくなった万菊は人との関わりを断ち、一人暮らす家でゴミにまみれた生活を送るようになる。

常軌を逸した光景に関係者は痴呆症を疑い病院へ連れて行くも身一つで出奔。

遺体が見つかったのはドヤ街にある安宿の一室。宿で親しくなった客が話した万菊の最期の言葉が印象に残った。

「ここは、いいねぇ。ここにゃ美しいもんがひとつもないだろ。妙に落ち着くんだよ。なんだか、ほっとすんのよ。もういいんだよって、誰かに、やっと言ってもらえたみたいでさ。」

吉田修一(著)国宝(下)花道編 引用

華やかな役者の世界に生きてきた万菊が自ら決めた死に場所。93年の生涯を安宿の布団の中で終えたのだった。

ラストを読んだ時、万菊の最期の場面が重なって見えた。常人には理解できない芸を極めたものだけが行きつく境地。

狂人と呼ばれてもなお喜久雄も、俊介も、万菊もそれぞれ違う景色を見ていたはずなのに何故だかみんな最後には微笑んでいるように感じて切なくて心が震え、また泣いた(笑)

美しい世界感の中で完結する、感動のラスト。

涙腺崩壊。。。

おすすめしたい吉田修一作品

私が吉田修一さんの作品を読むようになったきっかけの本

「パレード」

吉田修一(著)幻冬舎 (2004/4/1)

どハマりした作品

「悪人」

吉田修一(著)朝日新聞出版 (2018/7/6)

どちらも映像化されています。
詳細はこちらをクリック↑

最後まで、読んで頂きありがとうございました。
next time bye now!

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この記事を書いた人

はじめまして、kimihibiです。
30代OL。2014年に結婚し、夫婦2人暮らし。性格は、内向的、口下手、コミュ障。でも、自立心と上昇志向は強い。夫婦2人で生きやすい時間を確保するために奮闘中。2016年からアウトドア(登山・キャンプ)を始め、読書、おうち時間も大好きです。

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